ふしみ日記

毎日の個人的なあれこれの羅列

9月14日(火)@実家へ1泊2日

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接種率64歳以下3割。
私もまだ未接種。

接種を促されても機会が平等ではない。
日本人はこの不平等感に

非常に敏感だというニュースを読んだ。

集団免疫を密かに期待していたけど
専門家が困難と言うならば

もう打つしかないのかしら。
本音は打たないでよければ

スルーしたいのだけど。


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悩んで悩んで悩み抜いて
死を覚悟して接種した

一人暮らしの母親を訪ねる。

好きなサンドウイッチを作っていった。
一緒にお昼を食べる。

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姉の長女の連れ合いの実家から

送ってきたというシャインマスカット


時候の挨拶を兼ねて、四季折々、

いろいろなものを送ってもらうらしい。
田舎の人は律義だなと思う。

都会の人間は

まるで存在しないかのように

隣人を扱うというのに。


東京生まれで東京育ちの母は

極端に隣人との関わりあいを嫌う。
世間話程度ならすればいいのに、

娘の私が話すことさえ忌み嫌う。

私の住むマンションも

誰一人、話しかけてこない。
コロナ以前からの問題だとは思うけど、
こんな気迫な人間関係の中で一人、

老後を過ごす母は強過ぎる。


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本当はスーパーマーケットなんか

行きたくないのだけど
母の今の愉しみは唯一、

自分の眼で見て物を買うこと。


昔から買い物がてら

出歩くことが好きだったけど
ここのところ急速に足腰が弱まり

転倒を繰り返したので
姉か私が車で送迎しての

週1の買い物を心待ちにしている。

生の秋鮭が売っていたので

バターソテーにしたら
自分では作らないメニューのせいか
美味しいを連発しながら完食してくれた。

一人暮らしでも家事全般

恙なくこなしていた母だけど
最近、調理だけは嫌気がさしてきたらしい。

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翌朝もサンドウイッチを作る。
朝は菓子パン半分と牛乳

などという食生活らしい。


昭和一桁世代のせいか、パン好きなので
こんなサンドをとても喜ぶ。

母の好きな店、

コメダ珈琲みたいだなんて言う。


好きな外食もままならず、

かれこれ1年半以上、

引きこもり的な自粛生活のせいで
明らかにフレイル状態の母。

人生の最晩年を

こんな時間の過ごし方しかできなくて
自分はなんて気の毒な老人なんだ!

と嘆かれる。何度も何度も。

愚痴を言ってもなんの足しにもならないのに
聞いてやることが

親孝行なのかもしれないけれど
同じことを何度も聞かされる方の

ストレスも少しはわかってほしい。


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近くに立派な都立公園があるので
爽やかな秋晴れのこの日
散歩に出ようと誘うも嫌がる母。


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歩きたい!

また前のようにあちこち出かけたい!

と訴えるくせに
歩こうとしない母。


また、転ぶのが怖いのだと言う。


動かなければますます動けなくなる

と言っても
頭では理解しても

重い腰を上げようとはしない。

コロナのせいでこうなった

と母は恨めし気に言うが
そうではない。
コロナのせいにして動かないから

そうなったのだ。


そう言っても動こうとしないのだから

老人とは本当に厄介だ。

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そんな頑固者の母を独り、

家に置いて散歩に出る。

今年の夏はあっという間に終わったようだ。
もう初秋の風が吹いている。
なんと小気味良い朝の散歩道。

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こんな展覧会が開かれるらしい。
観たい。

が、ワクチン未接種の我には不安な空間だから
残念だけど、断念するしかない。

本当に残念だ。

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少年という名のオブジェ


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少女という名のオブジェ

どちらも比較的新しい作品のようだ。
名は失念したが、ともに女性芸術家の作品。

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新しいゾーンが造成中だった。
子ども連れのファミリーには

最高の遊び場になるに違いない。

華美でコストのかかる民間商業施設でなく
歩いて行かれる生活圏に
大人も子どもも一緒に遊べる

公的施設を作ることは有益だ。

この国の施策は

老人保護に偏り過ぎてはいないか。
子どもへの予算が少な過ぎはしないか。

子どもが産まれない社会に未来はない!
とつくづく思う。

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実家に戻ると宅配便が届いた。

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孫から敬老の日のお祝いの花だった。

母には3人の孫がいて
それぞれに結婚して子が生まれ
ひ孫は6人いる。

コロナ以前は孫子総勢、一堂に実家に会して
年に何度も大宴会を開いていたものだ。

母はそれをとても楽しみにしていたのに
もう2年程、そういう機会はなくなり
そしてこの次の正月も

開かれることは多分ないだろう。

もう新しい年は越せないかもしれないと
毎度、つぶやく母にはなんとも答えようがなく
実家に行く度にやるせない気持ちになる。

県境を越えて母を訪ねることは憚れる今
こうして訪問できるのは娘の私と姉だけ。

でも娘2人が近居していて
すぐ来てくれるから幸せ

と母はいつも言うけれど
このどうしようもない閉塞感は

払拭しようがない。

今はまだ見守りの段階だけど
このままではそう遠くないうちに
支援、介護への道へと続いていくのだろうか?

母は年が明ければ90歳になる。

実家通いを始めて3か月目。
週1で泊りがけで来ることも

慣れたと言えば慣れたが
それはそれなりに

連れ合いにもしわ寄せがいく。
私自身のパーソナルな人生計画も歪み始める。

母はもう長生きはたくさんだと言う。
亡き姑もその歳の頃、

長く生き過ぎたと

しつこく繰り言をつぶやいていた。

老いた人たちに聞いてみたいものだけど
聞くのは怖い。

あなたはあなたの未来をどうしたいのですか?